スタートアップ最前線Photo:123RF

スタートアップの成長は、売上高や利益など財務の数値で語られることが多い。だが、従業員数もまた現場の実態を生々しく映す。人を増やすのは、攻める意思決定であると同時に、人件費という固定費を背負う決断でもある。長期連載『スタートアップ最前線』では、新興市場上場企業を対象に、3年前からの従業員増加数が多い順でランキングを作成した。3年間で1000人以上増やした企業は6社に上り、2位のティーケーピー、7位のフリーなど知名度の高い企業も上位に並んだ。急拡大企業50社の顔触れを見ていこう。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

現場の実態を生々しく映す「従業員数」
増員は攻めの証拠か、コストの先食いか

 スタートアップの成長は、プロダクトや市場の拡大期待で語られやすい。そして、売上高や利益など企業の成績である財務の数値は、スタートアップを見る上で最も注目される指標である。

 しかし組織の現実は、最後は「人の数」に出る。採用を加速できる会社は、営業・開発・運用といった機能を同時に厚くし、事業を押し広げる局面に入っている可能性が高い。

 一方で、従業員数の急増は手放しで称賛できるものではない。増員は固定費の増加に直結し、売上高の伸びが鈍れば利益を圧迫する。また、M&Aで連結範囲が広がれば、従業員の人数は一段と膨らむ。従業員の人数の動向を見るときは、「どの事業の人員が増えたのか」「売上高や利益が伴っているのか」「増員が一過性か否か」を併せてチェックする必要がある。

 今回のランキングは、東証グロース、札証アンビシャス、名証ネクスト、福証Q-Board上場企業のうち、2000年1月以降に設立された企業を対象にした。数値は24年11月期~25年10月期。3年前と比べた従業員の増加数が多い順にトップ50社をピックアップした。

 結果を見ると、3年間で1000人以上増やした企業は6社だった。医療・介護のように現場人材が必要なサービス領域、あるいはIT人材を束ねて提供するビジネスが多く、増員が成長の前提条件になっている構図が浮かび上がった。

 上位には、施設運営のティーケーピー(TKP、2位)やクラウド会計のフリー(7位)などが並んだ。増員で注目を集めた企業はどこか。次ページでランキングを確認しよう。