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米連邦準備制度理事会(FRB)のホワイトハウスからの独立性は、数十年にわたり「不文律」という規範に基づいていた。大統領がFRB議長を含む理事を指名し、金利政策に不満を漏らすことはあっても、最終的には干渉しないという合意だ。
しかし13日、連邦地裁判事がジェローム・パウエルFRB議長を標的とした2通の刑事召喚状を差し止める判決を下したことで、ドナルド・トランプ大統領がいかにこの不文律を覆し、あらゆる手段で金利政策を直接支配しようとしてきたかが浮き彫りになった。この判断の結果、FRBの独立性はもはや規範ではなく、裁判所の命令によって保護されるものとなった。
ジェームズ・ボースバーグ連邦地裁判事は、13日に公開された27ページに及ぶ意見書の中で、トランプ氏の長年の支持者であるジャニーン・ピロ連邦検事が求めた捜査を退けた。同判事は、昨夏のFRB本部ビル改修を巡るパウエル氏のわずか数分間の議会証言に関連した召喚状が、パウエル氏に利下げや辞任を迫るための「嫌がらせと圧力」を目的としていたと結論付けた。ピロ氏はこれに対し、上訴する意向を示している。
オバマ政権下で任命されたボースバーグ判事は、政府が犯罪行為の証拠を示していないと述べた。この点は、議会でパウエル氏の証言を聞いた複数の共和党上院議員も指摘している。
召喚状を巡る争いは、FRBの独立性が政治的自制ではなく裁判官に決められつつある唯一の戦線ではない。最高裁は現在、トランプ氏が住宅ローン詐欺疑惑を理由にリサ・クックFRB理事を解任できるかどうかを検討している(クック氏は不正行為を否定している)。
クック氏の訴訟は、大統領がFRB理事をどの程度容易に解任できるかを初めて決定する可能性がある。同氏を解任から保護する判決が出れば、FRBを囲む法的な壁は強化されるが、クック氏に不利な判決が出れば、これまで歴代大統領が手にし得なかった「金融政策への直接的な影響力」を全ての大統領に与える可能性がある。







