ILLUSTRATION: THOMAS R. LECHLEITER/WSJ
人工知能(AI)エージェントは今や、人間の行動の予測やシミュレーションに使えるようになっている。米新興企業シミリー(本社:カリフォルニア州パロアルト)はこの能力を活用し、米ドラッグストアチェーン大手 CVSヘルス や米世論調査会社ギャラップのような大企業が世論調査や市場調査で、対象となる人間をAIに置き換えるのを支援している。
シミリーは、ベンチャーキャピタル(VC)のインデックス・ベンチャーズが主導した資金調達(シリーズA)でこのほど1億ドル(約159億円)を確保した。シミリーは、企業がこれまで顧客からのフィードバック収集や市場調査を行ってきた方法を、AIを使って一変させているスタートアップの新顔の一つだ。
市場洞察の業界はおよそ1500億ドルの規模があり、従来型のコンサルティング会社や市場調査会社に長年依存してきた。しかし、この業界にAIが急速に広がっている。AIで「人間」をシミュレートすることで、顧客は迅速かつ手頃な価格で市場調査を行うことができ、実質的に人間を介した調査に代わる近道になっていると、米VC大手アンドリーセン・ホロウィッツのパートナー、シーマ・アンブル氏は指摘する。
シミリーの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のジュン・パク氏によると、同社は人間との対話から収集したデータを使ってAIエージェントを訓練し、その後、それらのエージェントが一人一人のデジタルツインになるという。
このAIエージェントは事実上、好みや性格、その他の特質を収集するための面談を受けた、実在する個人のデジタルクローンだ。シミリーはその後、このデータを参加者の行動・購買データと結び付けることで、「人々の思考・行動の一般化可能性や可視性」を確保するとパク氏は説明した。
企業はこれまで、顧客のことを知るためにコンサルタント会社や市場調査会社と契約を結んでいた。このプロセスは費用がかかり、何カ月もかかることもあった。パク氏によると、企業は今や、シミリーのオンライン上のエージェント群に問い合わせることができ、利用料は顧客ごとに年間15万ドルから数百万ドル程度になる。







