がんや認知症の原因にも?
「睡眠負債」を知っているか

今、流行りの「睡眠負債」という言葉。1時間ずつ2週間分の睡眠不足で、2日間の徹夜なみに生産性が低下し、深刻な病気の原因になるという、恐ろしい分析結果があるのだ

「睡眠負債」という言葉が話題になっている。きっかけは今年1月、米国のシンクタンク大手・ランド研究所が、日本の睡眠不足による経済損失は15兆円に上るという研究結果を発表したことだ。

 この損失額は日本のGDPの2.9%に相当する。同じ分析ではアメリカはGDPの2.3%、英国が1.9%、ドイツが1.6%と、先進国ではどこも睡眠不足による経済損失が深刻なのだが、中でも日本の睡眠不足による損失が突出していることも事実である。

 さらに最近の研究では、この睡眠不足は積み重なることがわかってきた。毎日1時間ずつ睡眠不足が重なるだけで、体に疲れがどんどん蓄積されるようになる。これが「睡眠負債」である。

 睡眠負債は借金と同じで、蓄積されていくとやがて返済不能になり破綻する。ビジネスパーソンなら、仕事のミスが多くなるといったレベルを過ぎてしまうと、睡眠負債は免疫細胞や代謝の仕組みを機能停止にしてしまい、がんや認知症を引き起こすというのだ。

 つまり、睡眠不足は仕事の能率を低下させるが、それが睡眠負債となることでパフォーマンスが極度に低下するだけでなく、健康のリスクにまで発展する。がん、認知症、糖尿病、脳梗塞といった後戻りが難しい健康破綻につながるというのである。