その後は両者で会議を重ね、主婦や働く女性が調理済みの食品を多用していることを紹介するテレビ番組を2人とも視聴していたことなどから意気投合。今回の提携に結び付いたというのだ。

 だが、生き馬の目を抜くビジネスの世界で、そんな美談だけで提携が成立するはずもない。

独自路線からの転換は
“脱・カリスマ前会長”の象徴的事例

 というのも、オムニセブンはセブン&アイにとって、いわば“お荷物”事業。鈴木敏文前会長の次男である鈴木康弘元取締役が担当し、当初はアマゾンや楽天に対抗するネット通販サイトを目指していた。

 だが売り上げは振るわず、鈴木前会長の辞任後に方針転換。16年10月に発表された中期経営計画では、グループ内の各店舗間での送客を促す役割に変更された。康弘氏も昨年末に取締役を退任している。

 今回の提携で、11月末から始まる両サイトの相互送客では、ユーザーが商品検索すると、ロハコの商品がオムニセブンで、逆にオムニセブンの商品がロハコで表示される仕組みとなる。

 アスクルは、17年5月期まで4期連続で連結営業利益の増益を達成しており、火災の影響で今期は減益となるものの、19年5月期でV字回復を掲げるほど、伸び盛りの企業だ。

 つまりセブン&アイは、独自路線にこだわらずアスクルの力を借りることで、オムニセブンの立て直しを目指す方針に転換したわけだ。鈴木前会長というカリスマ経営者のくびきから脱した象徴的な事例と言えるだろう。

「IYフレッシュ」については、これも今年11月末から、東京都文京区と新宿区で試験的にスタート。18年中に東京23区、20年に首都圏に拡大する計画だ。ロハコで従来販売している商品とともに、精肉、青果、鮮魚と、セブン&アイ自慢のプライベートブランド「セブンプレミアム」の加工食品をラインアップする。配達には、アスクルが導入している、1時間単位で配達時間が指定できる「Happy On Time」を用いる。