気に入らない社員がいるとその社員にからみ、仕事ぶりはもとよりその言動、服装や髪型、持っている小物までケチをつけてくる――そんなクラッシャー上司に悩まされていないだろうか?(写真はイメージです)

 基本的に能力があり仕事ができる一方で、部下が気に入らないとネチネチとイジメあげ、耐えられなくなった部下たちが続々と退職する状況を作り出してしまうクラッシャー上司。近年、私が受け持っているクライアントからクラッシャー上司に関する相談が増えている。そんなクラッシャー上司をどう扱えばいいのか――。今回、クラッシャー上司が改心した事例を取り上げたい。(社会保険労務士 木村政美)

甲社概要
 創立30年の食品加工会社。先代社長が裸一貫で立ち上げ、紆余曲折はあったものの現在従業員数は200名ほど、女性社員が全体の7割を占める。地元では有数の規模を持つ企業に成長を遂げた。取引先増加のため、さらに新規の製造部門立ち上げを計画中である。
登場人物
A子:50歳。入社時から総務部在籍。仕事をてきぱきとこなす快活な性格で、先代社長からは特段かわいがられていた。しかし、自分が嫌っている後輩に対しては徹底的にイジメるという一面を持つ
B社長:先代社長の息子。世代交代で半年前社長に就任した
C子:新入社員
D社労士:B社長の大学時代の先輩で社労士