ECBも緩和的な金融政策を調整する可能性がある。従来、ECBはインフレ率が抑制されていることを理由に、金融緩和が必要との立場をとってきた。しかし、6月下旬、ドラギ総裁は現状の金融政策を微調整する可能性を示唆した。

 金融市場では、年内にもECBが市場で購入できるドイツ国債が枯渇するとの観測も出始めている。政策の限界に直面する前に、ECBは金融市場が落ち着いている間に量的緩和の段階的な縮小(テーパリング)を進めるだろう。そうすることで、ECBは金融政策の持続性と柔軟性を高めることができる。

 ユーロ圏では、米国やわが国と異なり、金融機関の不良債権処理が十分に進んでいない。それだけに、ECBにとって、先々の金融政策の発動余地を確保することは喫緊の問題ということもできる。

 それに加え、カナダ、英国の中央銀行関係者からも「利上げが必要」との見方が示され始めた。リーマンショックから約9年、世界経済の先行き期待、資産価格の上昇を支えてきた金融緩和が、徐々に引き締め基調の政策に転換される可能性は高まっている。

秋口以降の相場変調には
注意が必要

 利上げや金融政策の正常化に向けた取り組みを中央銀行が進めると、経済・市場に供給されてきた資金量は減る。バスタブからお湯が抜かれて水位が下がるように、株式などの資産価格の下振れリスクは高まりやすくなる。