とはいえ、ここではあえてその新たな恋愛スタイルを深掘りして、ポリアモリーの基礎をまとめていきたい。

浮気・不倫との違いは「合意」があること
その上で、同時に複数の人と関係を持つ

 ポリアモリーについて取り上げる上で、まず定義や成り立ちを知っておきたい。そこで、ポリアモリーの研究者であり、著書に『ポリアモリー 複数の愛を生きる(平凡社新書)』がある深海菊絵さんに話を伺った。

 まず、ポリアモリーとはいったいどんな考え方なのか。「人により考え方に幅があるのですが…」と前置きした上で、深海さんはこう説明した。

「ひと言でいえば、同時に複数の人と“合意の上”で親密な関係を築く恋愛スタイルです。身体的、性的な関係だけでなく、感情面でも複数の人と同時につながります」

 シンプルに表現するなら、「同時に複数の人と付き合ってもいい」ということになるのだろう。ただし、そこで大きなポイントになるのが「合意の上」という前提だという。

「ポリアモリーは、複数の人を愛することを、その当事者全員が共有し、合意した上で関係を築くことです。浮気や不倫との大きな違いは、パートナーに隠さずオープンにすること。相手に伝える点です」

 ポリアモリーを選択する“ポリアモリスト”は、例えば複数名のパートナーと同時交際していて、かつ、それをすべての人と共有していることを意味する。

 婚姻関係を結ばない形での交際もあるが、結婚し家庭を築きながらポリアモリーを実践しているケースもある。j実際、配偶者とその子どものほかに、関係を持つパートナーがいるポリアモリストもいるようだ。

「ポリアモリスト同士の恋愛もあれば、片方がポリアモリストで、それを相手が受け入れる(=パートナーが他の人も愛することを受け入れる)ケースもあります。なかには、最初は1対1の恋愛を希望していたものの、ポリアモリストの相手と付き合ううちに、自分もポリアモリーを選択するようになったという話も聞きました」