甲子園の一大勢力「大学の系列高校」の存在感

 清宮幸太郎内野手の早稲田実業(早実)での野球生活が終わった。

 全国高校野球、西東京大会決勝で早実は東海大菅生に2-6で敗戦。これで清宮の高校通算本塁打107本の更新も、高校最後の夏を甲子園でプレーする目標も、あと一歩のところで潰えたわけだ。

 だが、全国の高校野球ファンの熱い視線が注がれる中、107本もの本塁打を打ち続けたうえ、主将を務めるチームを強豪ひしめく西東京大会の決勝まで導いた精神力は見事というしかない。

 甲子園で清宮を見ることはできなくなったが、今後も注目を集め続けるに違いない。9月(1日~10日)にはU-18ベースボールW杯があり、代表候補入りしている清宮のプレーを期待する人は多い。また、進学かプロ入りかが決定する時も大きな話題になるはずだ。

早稲田佐賀が甲子園出場決定
創立8年で激戦区の佐賀を制する

 清宮の存在感のすごさは、少しでも関連する出来事があると大きなニュースになることだ。たとえば今大会の佐賀大会で早稲田佐賀が優勝し、甲子園初出場を決めた時。早稲田佐賀は校名が示す通り、早実と同じ早稲田大学の系列高校で、ユニフォームのデザインも同じだ。そんなことから報道陣は選手に早実のことを聞いたようで、「対戦したい」というコメントを得た。

 そして、こんなことは言っていないと思うのだが、「清宮君、甲子園で会いましょう」といった見出しをつけたのだ。清宮も佐賀に系列校があることぐらいは知っているだろうが、遠い地域のことでもあり、同校を意識することはなかったはず。だが、メディアは清宮の名前を出して話題にするわけだ。

 ところで早稲田佐賀という高校。野球はもとより他のスポーツでも、その名前を聞いたことがない。どんな高校なのだろうか。