1人が1校しか合格できない国公立大学上位校に、多くの合格実績を出している高校はどこか。「国公立100大学合格力」を基に全国の中高一貫校・高校をランキングし、ベスト2729校を選出した『ダイヤモンド・セレクト2017年8月号 中高一貫校・高校大学合格力ランキング 2018年入試版』から、ここでは全国ランキング上位10校のデータを見ながらトップ進学校の実勢を探ってみた。
高校球児が誰でも甲子園出場を夢見るように、世の秀才たちはこぞって東京大学・京都大学を目指す。さらに近年は医学部進学熱が高まる一方で、東大・京大にはこだわらず医学部を第1志望にする高校生も増えている。
しかし、東大、京大、医学部の入学者をすべて合わせても1万5000人程度。四年制大学進学者全体の3%にも達しない。そこで、もう少し広い視野で、現在の進学校の現状を見てみたいというのが、本誌の目論みであり、試みたのが「国公立100大学合格力」という独自の指標の設定だ。
その指標に基づいて、昨年に引き続き、日本全国の中高一貫校と高校をランキングした。詳しい算定方法は、後述の「ランキングの見方」を参照いただきたいが、ごく簡単に説明すれば、大学通信のデータを基に、1校ごとの国公立大学上位100校の合格者数に、合格した各大学の偏差値を掛け、それを卒業生数で割った数値を「国公立100大学合格力」とした。つまり、卒業生1人当たりの上位国公立大学合格力である。国公立大学は1人1校しか合格できないので、高校の学力が比較的、正しく表れるという考えに基づいている。
私立大学の合格者数を考慮しなかったのは、私立の場合、優秀な生徒は複数の大学・学部に合格してしまうため、見かけ上の合格者数が大きくなってしまうからだ。また、1人当たりの合格力としたのは、生徒数の多寡(学校の規模)に左右されないようにするためである。合格力とは別に、参考値として有名私立上位大学合格者数も掲示した。
トップは2年連続で灘
上位5校は顔ぶれ同じ
本記事には全国順位の上位50校を掲載した。参考値として、超難関大学(旧7帝大と東京工業、一橋の計9大学)の合格力ランキング、東大・京大の合格者数、早稲田大および慶應義塾大の合格者数の合計、「医学部合格力」全国順位も掲載した。
昨年と同様、今年も「国公立100大学」のうちいずれか1つ以上に合格者を出した高校をランキング対象とした。ランキングの対象となったのは、2729校。全国の高校の数は約5000なので、その半数強がランキング入りしたことになる。全国的には無名の地方の進学校もほぼ網羅できているはずだ。本誌の『ダイヤモンド・セレクト2017年8月号 中高一貫校・高校大学合格力ランキング 2018年入試版』には都道府県ごとの大学合格力ランキングが掲載されているので、併せてご覧いただきたい。