いよいよ狼がやって来る?
現在わが国が抱えている経済の課題は、20年にも及ぶデフレの脱却、新たなエネルギー政策のもとでの経済成長戦略、社会保障・税一体改革(財政再建)の実行の3つ、それと震災復興であろう。
どの課題も、容易に解決できるものではない。取り巻く状況も、いわゆる6重苦、つまり①円高、 ②高い法人税率、 ③TPP等貿易自由化の遅れ、 ④労働をはじめ各種の規制、 ⑤温室効果ガス抑制策、 ⑥電力不足である。
このような中で、きちんとした政策運営の実行できる政治体制を構築しなければ、わが国の財政事情を格好の材料にして、国際投機筋の食い物になる可能性がある。というのは、財政問題の本質は、政治問題であるからだ。このことは、欧州の財政危機、米国債の格下げ問題などでもわかるように、すべて各国の財政健全化に対する政治の信認を材料としていることからもうかがえる。
これまで、わが国の財政健全化の必要性を話題にすると、「金利がこんなに低い時に、財政危機が起きるはずはない」と狼少年呼ばわりされてきたが、いよいよ、いつ本当に狼が現れてもおかしくない状況に来ている感じがする。
代表戦候補者たちの政策
そういう中での民主党代表選挙である。
連日新聞は、代表選候補予定者の見解の一覧比較を掲載している。日経記事では、「短期的な復興増税には温度差があっても社会保障と税の一体改革に伴う中長期の増税には大きな差はない。2010年代半ばまでに消費税を段階的に10%まで引き上げる、との政府方針をおおむね支持。一方で消費税増税と表裏の関係にある年金・医療改革に関する具体策への言及はほとんどない」と書かれている。