であれば、全員がフルに有給を使うようにすればいいのでは?もちろん、部課長も含めて年休の権利を持つ労働者全員です。手続き的には皆さんが、話し合いで時期をずらすとしても、全ての年休の取得依頼をきちんと出す。会社は、これを拒むことができないので、全員が100%年休を取れるようになります。

A氏:なるほど、「年休願い、皆で出せば怖くない」ですね。

休みたくない人たちがいるのは良いこと?

 前述のような提案を日本ですると、「それやると、うちの会社は傾くかも」と言う人がいるかもしれません。また、「休んでも楽しみがないので会社に行きたい人、業績が悪く上司や周りの目が怖い人、業績の先き行きが見えないのに休みなんてとんでもないと思う人、単に休日返上してまで働くことは良いことと考える人、年休を取るか否かは各自の自由と主張する人などがいて、皆の足並みが揃わない」との声もよく聞きます。

 確かに、日本の組織には、こういう様々な考えをお持ちの方がいると思います。ただ、ここで考えるべき点が2つあります。

 1つは、こうした人たちが社内にいるがために、全員年休100%取得会社になれないとすると、これは果たして会社にとって、多くの社員にとって、そして社会全体のためにとって良いことなのか?ということです。

 2つ目は、社員が自ら権利を棄ててまで、会社のため(会社から与えられた仕事のため)に働くことが、本当に自分や家族、そして、社会全体のために良いことなのか?ということです。

 様々なご意見があろうかと思いますし、是非とも議論を交わしたいところですが、まず私の考えを述べます。1については、本コラムのタイトルで、既にこれを前提としているとおり、良くないと考えます。

 そこで2ですが、これも良くないと考えます。理由は、2つです。1つは、年休は、労働者が心身のリフレッシュや自己啓発などを図れるようにと法律で定められているものだからです。もう1つには、自分を大切にせず、休日を返上してまで会社に尽くし、心身ともに疲れ、ひいては病気を患う、また、話題が会社と仕事のこと以外ない寂しい人になってしまっては、自分たちはもとより、家族や社会全体に良いわけがないからです。

雇用契約に対する意識を高め、自分の身は自分で守ろう

 フランス100%、日本50%という年休取得率の大差の決定的な理由に、雇用契約に対する意識の違いがあると筆者は考えています。自分(労働者=使用者に雇われ、与えられた仕事をし、その対価として給料もらう人)と会社(使用者=労働者を雇い、業務を与え、その労働に対し給料を払う人)が、法的にどのような関係になっているかということです。