心を強くする習慣を身につけると、
どんな逆境にだって負けない

「なんで自分だけ、こんな目に……」

 思えば、僕の人生はそう思う出来事の連続でした。

 苦しい瞬間を乗り越えられたのは、僕が特別だったからではありません。

 僕は、同じようなドジを何度も繰り返したし、調子に乗って痛い目にあうこともあるごく普通の人間です。プロ野球選手としても、決して順風満帆ではありませんでした。

 プロ時代は、1999年から2015年まで17年間にわたって、日本ハムファイターズ(現北海道日本ハムファイターズ)、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)、埼玉西武ライオンズの3チームでプレーしました。

 選手としての成績は、日本プロ野球名球会に入るための条件「2000安打」にほど遠い904安打。「記録よりも記憶に残る選手」と言われれば悪い気はしませんが、今もみなさんから忘れられずにいるのが不思議でなりません

 思うようには前に進めず、弱気になってしまうことは誰にもあるでしょう。仕事や勉強がうまくいかない、スポーツで結果が出せない、病気やケガで思うように目標に向かっていけない。そんなときはどうすれば?

 気にしない。

 それが、なにかに悩んだとき、僕がいつもたどりつく答えです。

 考えすぎない、シンプルに生きる、細かいことは気にしない。そのうえで、なにごともポジティブにとらえ、心を強くする習慣を身につけられれば、どんな逆境に陥っても乗り越えられます

 前を向いてがんばっていれば、必ずいいことがあります。月並みな言葉ですが、僕は身をもって、それを証明してきました

 この本には、プロを引退した今だからこそ語れる話や、悩んでいたあの頃の自分に読ませたい話などを盛り込みました。

 僕がこの本で語る内容が、あなたの元気の源となり、前に進んでいくエネルギーになれるとしたら、これに勝る喜びはありません。