写真はイメージです Photo:PIXTA
「大谷選手、また打ちましたね!」――WBCなど盛り上がるスポーツの話題を、職場の雑談で振っていませんか? 誰もが知る旬のニュースは会話をつなぐ「安全牌」に思えますが、実は大きなワナ。心理学の研究では、こうした定番の話題を安易に使う人ほど「退屈でダメな人」と評価される危険性が示されています。では、コミュニケーションに長けた「頭のいい人」だけがひそかに実践している、絶対に相手をウンザリさせない雑談の基本とは?(文/心理学者・立正大学客員教授 内藤誼人)
退屈な話をする人が
知らない会話の基本
大型スポーツイベントの時期になると、職場でも街中でも、その話題が雑談の入り口になりやすくなります。
WBCでもワールドカップでも、みんなが知っている話題は、とりあえず口にすれば会話がつながる安全牌(あんぜんぱい)に見えるからです。
けれども、頭のいい人は、こうした定番の話題ほど慎重に扱います。理由は話題として有名であればあるほど、相手はすでに何度もその話を聞いている可能性が高いからです。
自分にとってはまだ熱い話でも、相手にとっては「またその話か」になっているかもしれません。
広告の世界では、同じ刺激を何度も見せすぎると反応が鈍ることが知られています。
マンハイム大学のシンドラーらは、教育的なAIDS広告を雑誌内で2回、3回、5回、7回と繰り返して見せたところ、繰り返しが増えすぎると評価が落ちるという、いわゆる逆U字型の結果を報告しました。
著者ら自身も効果は小さいので過大評価すべきではないと述べていますが、それでも「同じ刺激は、一定回数を超えると新鮮さを失いやすい」という直感を裏づける材料にはなります。
会話を広告と同一視することはできませんが、みんなが同じ話を何度も口にする時期には、会話の鮮度も下がりやすいと考えるのは自然でしょう。
さらに、退屈な会話の研究でも、ヒントになる結果があります。






