醤油ラーメンが中国では
不人気な理由

中国・上海を代表する豚骨スープラーメン店「博多一幸舎」(上)、「一風堂」(下)

 実は中国人が醤油ラーメンを嫌いなわけではない。むしろ、蘇州麺をはじめ多くの中国のラーメンは醤油味であり、馴染みのある味であると言える。

 では、なぜ日式醤油ラーメンはウケないのか?

 まず、馴染みのある味ゆえに、現地のラーメンとの差別化を明確にできていない点が挙げられる。スープの出汁に工夫を凝らしても、多くの中国人には単なる醤油味としか認識されていないのが実情である。結果、ローカルラーメンとの価格競争に巻き込まれ、割高なラーメンとして映ってしまっているのだ。

 加えて、海産物から取るダシの味が苦手な中国人が、少なからずいることも一因だ。また店主が海産物のダシを用いて個性的なラーメンを作りたいと思っても、原材料となる乾物を中心に中国への輸入認可が下りず、現地では手に入りにくい状況であることも、日式醤油ラーメン定着の妨げとなっている。

豚骨ラーメンが
中国人に支持される理由

 もともと中国には、豚骨を長時間炊き込んで白濁、乳化させたスープは存在しない。一方、広州はじめ華南地区では丸鶏を原料とした白湯(パイタン)スープが古くから高級品として愛され続けてきた。

 1990年代後半、味千ラーメンを筆頭に、日本の豚骨ラーメンはこれまでなかった新しいものでありながら、白湯スープ同様、長時間原料を炊き込んだ高級品として中国人に認識されることに成功した。

 ローカルのラーメンを6元程度で食べられた時代、その倍以上の15元で販売されたにもかかわらず日式ラーメンの人気は凄まじく、当時は多くの日式ラーメン店に1時間以上の行列ができているのが普通の光景だった。