各社が主力の緑茶飲料ブランドの大型リニューアルを敢行した。今年3月には、伊右衛門、綾鷹が、5月にはお~いお茶がリニューアルされた。「生茶が緑茶市場の新たな競争の引き金を引いた」(競合メーカー幹部)のである。

 今年に入り、生茶は足元で苦戦を強いられている。リニューアル効果が一巡したことと、こうした他社の相次ぐ攻勢が理由だ。

 特に、「伊右衛門は味覚の面で、バランスをかなり生茶に寄せてきており、その市場の取り合いになっている」とキリン幹部は明かす。「しかも、リニューアル直後で、販促費も大きく投入しており、手ごわい状態だ」(同幹部)。

キリンビバレッジの川口尊男氏。17年の目標は、新規のファンを定着させることだという

 それでも川口氏は、「リニューアル後に他社にベンチマークされることは想定済み。当初から他社に惑わされることなく、絶対にぶれないようにすることをチームで共有していた」と冷静だ。

 この局面で重要になってくるのが、リニューアルの3つ目のポイント、コミュニケーションの深化だ。

「ガチンコでぶつかれば、勝てる自信のある商品。リニューアルで得た新規客を定着させるためにも、奇をてらわないけれども、納得感のある斬新なコミュニケーションをしていくことが今年のテーマ」(川口氏)という。

 今年7月には東京・原宿に期間限定で「お茶ミュージアム」を開設した。お茶の魅力や知識を知ってもらえれば、コモディティー化するお茶に対しても、一つひとつ商品価値をしっかりと比較した上で、選択してもらえると読む。

 また、女優の波瑠が出演するCMでは、お茶を凍らせた「お茶氷」というアレンジを紹介。新しいお茶の価値を打ち出した。

 発売当初のように、大リニューアルの勢いも最初だけなどという渋い展開はもう味わいたくない。生茶の逆襲が始まった。

>>第2回『第7次お茶戦争突入!巨人「お~いお茶」の意外な死角』(8月24日(木)公開予定)に続きます。