視聴時間は微減にとどまるが
やはり深刻な若者のテレビ離れ
毎年3月22日の放送記念日に放映されるNHKの放送記念日特集番組。今年は『今 テレビはどう見られているか』というタイトルで、若者のテレビの視聴実態に迫っていたが、テレビをつけながらタブレットで動画を見て、時折スマホをいじっている若者の姿を見て、「まあ、そんな感じだろうなあ」と思った。どうやら、テレビにかじりつくように番組を見入る若者は、減少しつつあるようだ。
ながら見や、BGMくらいの意味合いでテレビをつけている人も少なくないだろう。そんなテレビの特性もあってか、テレビの視聴時間自体は大きく減っているわけではない。
NHK放送文化研究所によれば、過去10年間の調査におけるテレビの週平均・1日当たり視聴時間(全局総計)は、最長の2006年で3時間58分。基本的には微減を続けながらも、2016年は3時間41分。思ったより変わってない。最新の2017年6月版全国個人視聴率調査でも、全局総計で3時間31分。ん? 5%弱減少しているな。……続報となる11月版の発表を待ちたい。
ただ、こちら調査対象は「全国7歳以上の男女」と、ナウなヤングに焦点を当てているわけではない。
【テレビ視聴時間の推移(1日、週平均)】
というわけで、博報堂DYメディアパートナーズが毎年実施している『メディア定点調査』。今年6月に発表された2017年版における東京地区のデータを見ると、放送記念日特集で放送された若者が特殊な例でないことがわかってくる。
どんな媒体でメディアと接触しているか、その接触時間を性年代別で比較すると、若者相手にいかにテレビが劣勢に置かれているかがわかる。15歳から20代まで、男女ともに携帯電話/スマートフォンでの接触時間はテレビをはるかに超えている。