「文章を書く」≒「素材を並べる」
『超スピード文章術』の中で、メール、レポート、企画書、プレゼン資料、PR記事、社内報、営業日報、議事録など、ビジネスで用いられる文章においては、「素材を用意すれば、速く書ける」という話を強調し、素材集めのノウハウと、超速で文章化するスキルをお伝えしています。
では、文章の「素材」とは、どんなものか。
私が定義する素材とは、次の3つです。
(1)「独自の事実」
(2)「エピソード」
(3)「数字」
つまり、読み手に「これを伝えたい!」と思う内容そのものを指します。
この3つを用意できれば、あとはほとんどそれらを並べるだけで文章になります。
具体例として、私が『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』という書籍を書いたときに、スーパーチェーン成城石井の内部の方に聞いた話を元にして書いた文章を、一部、紹介します。
--------(以下、引用文です)
なぜ、成城石井のワインは1500円の安さでもおいしいのか。
ヨーロッパから船積みされたワインは2カ月かけて日本に運ばれますが、冬でも30度近い気温になる赤道直下のエリアを通過することになります。普通のコンテナで運んでいたら、内部はとんでもない熱さになる。昔は、そんな状態でワインが運ばれていたのです。
これがワインに影響を与えないはずがない。
その問題を解決するべく成城石井が取り組んだのが、「Reefer(リーファー)」と呼ばれる定温コンテナ輸送で直輸入することでした。30年も前のことです。
そして、日本に着いてからも、完全定温、定湿管理の倉庫を建造し、ワインを保管している。24時間、温度や湿度を管理し、冷気が全体にまんべんなく自然滞留される仕組みも取り入れている。
成城石井は、ここまでやっているのです。
だから、1500円のワインでもおいしいのです。
------(以上、引用終了)
この400字ほどの文章を書くのに要した時間は、8分~10分程度です。決して「うまい文章」ではありませんが、私が何を伝えたいのかは、おわかりいただけるのではないでしょうか。
私は、この文章を書く前に、次の「素材」を用意していました。
【事前に用意していた文章の「素材」】
・かつて、ヨーロッパで船積みされたワインは、2カ月かけて日本に運ばれていた
・冬でも30度近い気温になる赤道直下のエリアを通過する
・成城石井は「Reefer(リーファー)」と呼ばれる定温コンテナ輸送で直輸入する仕組みを採用した
・それは30年前のことである
・日本に着いてからは、完全定温、定湿管理の倉庫でワインを保管している
・24時間温度や湿度を管理し、冷気が全体にまんべんなく自然滞留される仕組みも取り入れている
ご覧の通り、すべて、独自の事実、エピソード、数字です。
そして、先ほどの文章は、ほとんど素材を並べただけだとわかるでしょう。
「文章を書く」ではなく、「素材を集めて、適切に並べる」だけ。そう考えられれば、文章執筆はそれほど難しい作業ではなくなるはずです。そして、必ず、今より速く書けます。
もちろん、ビジネスにおける文章は、「誰に向けて、どんな目的で書くのか?」を正確に決めることが重要です。そして、「集めた素材をどうわかりやすく並べるか?」という問題もあります。
それらをいとも簡単に決めて、超速で文章を書き終える方法について、『超スピード文章術』では具体的に解説しています。是非、ご覧になってみてください。