私の場合、「マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長です」という説明で分かる人はほとんどいないですし、IT業界の方でなければ「マイクロソフトのクラウドとデバイスの持つポテンシャルを実際のデモとハンズオンを通じて体験していただきます」という説明も、なんだか宇宙語に聞こえてしまうかもしれません。そのためには、もっと本質的なことを言葉にする必要があります。つまり、

「コンピューターが御社のビジネスに貢献できることをわかりやすく説明する仕事です」
「人間がやると時間がかかることを機械にやらせるとどれくらい便利かを知ってもらう仕事です」
「いつでもどこでも好きな人と話ができる方法を教える仕事です」

 といった説明をすることになるのです。これを私は「単純化のプロセス」と定義していて、プレゼンを考えるうえで最初にやるべきタスクであると認識しています。

 本質的な部分が浮き彫りになるくらい分解してから、言葉を選んでつないでいくと、誰にでもわかるプレゼンテーションが出来上がります。そして、聞いている側の知識レベルに応じて、専門的な文言を入れたり詳細な説明を加えたりといった調整をしていけば、全方位的にカバーすることができます。

●興味のアンテナを設置する

 ほかに、脳内で普段からできることとして、「アンテナを高くする」というメソッドがあります。

 これは、プレゼンテーションのテーマになりうるキーワード(前出の「本質的なことを説明する言葉」)を思い浮かべて、それに関連しそうなものを隙間時間に見つけるというものです。

 例えば、なんらかの数字にまつわるプレゼンをするのであれば、ランチに入ったお店の中で「ここで数値化できる要素はいくつあるかな?」ときょろきょろ見回すのです。それこそ、無限に発見があるはずです。

「この店でそろえているコップの数はいくつだろう」
「このお店の月の売り上げはどれくらいだろう」
「今日の日替わりランチはいくつオーダーされるだろう」
「何人のスタッフで回しているんだろう」

 さらにそこから、

「コップが月にいくつ割れると仮定しておけば業務に差しさわりが出ないかな」というように踏み込んで考えていったりすれば、実際の業務の中のたとえ話でも使えるかもしれません。