診療所と薬局で支払う自己負担額の合計は1470円。一方、市販されているロキソニンSはメーカー小売希望価格でも700円(税込)なので、同じような効能の薬を770円安く手に入れることができるのだ。

 もちろん、すべての薬を市販薬で済ませるのがよいわけではない。医師の処方がないと使えない薬もあるし、生活習慣病などで長期間同じ薬を服用している場合は定期的な医師の診断、チェックが必要だ。小さな症状の裏に大きな病気が隠れていることもあるので、必要なときは迷わずに医療機関を受診すべきだ。

 だが、鎮痛剤や抗アレルギー剤、整腸剤などは市販品でも対応可能な場合もある。わざわざ医療機関を受診しなくてもいいため、お金だけではなく時間も有効活用できるので、病気の種類や症状に合わせて病院と薬局を使い分けることも覚えたい。

 折しも今年からセルフメディケーション税制が始まり、1年間に購入したスイッチOTCの総額が1万2000円を超えると、確定申告で払いすぎた税金を取り戻せるようになった。対象商品のパッケージには「セルフメディケーション税控除対象」と書かれているほか、レシートにも「★」などの識別マークが記載され、それと分かるようになっている。

 体調が悪いのに我慢して病院や診療所に行かないのは本末転倒だが、1年たって購入したスイッチOTCが税制優遇の対象になる場合は、忘れずに申告して払いすぎた税金を取り戻そう。

 このように市販薬を上手に使って、家計を守りながら病気やケガの症状を緩和できるケースがある一方で、健康保険を使ったほうが費用を抑えられることもある。そのため、本来なら利用が認められていない美容目的で健康保険を悪用しているケースもあるようだ。

 次回は、美容目的で健康保険を利用している人がいる現状とその影響を考えてみたい。

(フリーライター 早川幸子)