いよいよ、秋のインターンが開催される時期になった。外資も日系も、このインターンへの参加が「内定への近道」になるという噂があちこちで囁かれている。応募する際に注意すべきことは何なのか。キャリアデザインスクール我究館 館長、書籍『絶対内定』シリーズ著者の熊谷智宏氏に聞いてみた。
9月になり、秋のインターンに向けた選考も本格的に始まりだした。多くの人が夏のインターンの延長で、同じような準備や心構えでエントリーをしてしまうが、ここに失敗の原因が隠れている。2018卒の先輩たちを見てきて僕が考える、秋冬インターンに向けて必ず実行してほしい2つの対策を伝えていこう。
ヤリタイコトを明確にし、志望業界を決める
僕は、志望業界はなるべく早く決めるべきだと思っている。まだこの時期だと「志望業界は絞りすぎないほうが良い」とアドバイスする大学の先輩が多いと聞くが、僕はあえて反論してみたい。実際には、手当たり次第インターンを受けているような時間はないからだ。
まずは「選考対策」の観点から説明しよう。夏と比べて、秋冬のインターンは選考の難易度が上がる。結果的に、ESでも面接でも志望動機や自己PRはより厳しく見られる。入念な準備が必要だ。しかし、ここで「なんとなく」興味のある業界に、「とりあえず」エントリーしまくっていると、研究しなければいけない業界が必要以上に増えてしまう。結果的に「中途半端」なESや面接での受け答えしかできなくなってしまい、残念ながら、通過の可能性はグッと下がってしまう。
「時間配分」の観点からも業種は絞った方がいい。秋冬のインターンは5daysなどの、1週間程度拘束されるプログラムも多くある。夏休みのように時間がふんだんにある時期であれば問題はなかっただろうが、秋冬ではそうもいかない。外資系企業やベンチャー企業の本選考が年内にはじまり、大学の授業もはじまる。さらには、それに伴う筆記テスト対策、OBOG訪問、年明けの大学の試験などが延々と続く。企業に1週間拘束された結果、すべてが後ろ倒しになるか、放棄するしかなくなってしまうのだ。せっかく時間を割くのであれば、「心から望む」企業に絞るべきなのはおわかりいただけるだろう。
自分の考えを他人に聞いてもらい、ブラッシュアップし続ける
次に、自分の考え(志望動機や自己PR)を「指摘」してもらえる環境を整えることだ。
夏のインターン選考で落選してしまった人から受ける相談の多くが「面接で質問されたことにうまく答えられなかった」というものだ。もちろん彼らも、一生懸命、志望動機や自己PRを考えて選考に挑んではいる。しかし、失敗している人にはある共通点があった。それは、「他人からアドバイスをもらう」機会が圧倒的に足りていないことだ。どんなに優秀な人も、自分を完全に客観的に見ることは難しい。そのため、採用担当者が疑問に思うであろうポイントを友人や先輩、社会人からどんどん指摘してもらえる環境を手に入れることが重要になる。「他人から見ると、そういうことを疑問に思うのか」と、自分では気付けないことが次々と見えてくる。採用担当者の質問の回答を、その場で「はじめて」考えるのではなく、「すでに考えてある状態」をつくって選考にのぞみたい。
ヤリタイコトを明確にしたい人は、ぜひ『絶対内定2019 自己分析とキャリアデザインの描き方』の94枚のワークシートに挑戦してみてほしい。量が多くて驚くかもしれないが、大丈夫。その気になれば1週間でできる。その本気の1週間で、秋以降のきみの就職活動の羅針盤を作ることが、結果的には内定への近道だ。