それが、その前提が崩れ、しかも希望の党でさえもそこまで脅威となる存在ではなくなってきた。小池旋風があれば政治未経験の新人候補でも風で当選することも可能だが、その旋風が都議選の時ほどではないということになれば、話は大きく変わってくる。

安倍人気が失墜しても
自民有利に展開か

 一方の自民党も安倍人気で当選できる時代はとうの昔で、「安倍総裁のポスターや安倍総裁との二連ポスターはもう貼ってくれるな」とか、「貼ってあるポスターを剥がしてほしい」という話まで出てきているという。

 加えて、不祥事や不規則発言で批判を浴びた議員、小選挙区では当選できずに比例復活を繰り返してきた議員も少なくない。したがって議席数が減るのは「想定の範囲内」として、野党の迷走と混乱、その結果としての野党同士の票の食い合いが起こり、それによって自民党が浮かび上がってくる可能性があることも考えると、自民党の議席数の減は悲観的になる必要がない程度になりそうだ。9月上旬の段階での予想獲得議席数の280まではいかないとしても、230~250の範囲に収まって、公明党との連立により過半数はなんとか維持するという結果に落ち着くのではないか。

 無論これは現時点での話であるし、今後自民党側に大きな不祥事やスキャンダルがないことが前提である。また、今回の解散自体への批判があることも忘れてはならない。直近のテレビ朝日の世論調査では65%の人が今回の解散を「評価しない」と回答している。その他、毎日新聞の調査でも「評価しない」としたのは64%、読売新聞の調査でも65%にのぼった。

 また、民進党や希望の党の迷走は毎日メディアを賑わしているが、有権者の関心はどうなのだろうか。有権者そっちのけのような状態で政治家同士が保身のために争う姿を見て、辟易してしまっている人たちも多いのではないか。加えて、民進党が分裂し、大半が希望の党へ流れたことで「投票先がない」という声も聞かれた。立憲民主党の結党によってその一部は同党に流れるのだろうが、「棄権」という選択をする有権者が増えることも想定される。

 選挙は何が起こるかわからない、「水物」と言われる。

 民進党と希望の党による政治ショーは良くも悪くも有権者の関心を集めたことに間違いはないが、さまざまな有権者に選択肢を示すことができなければ、「消去法で選ぶ」という人も出てくるだろう。そうなった時の投票先は自民党となる可能性が高いのではないか。気づいたら選挙戦は自民党に有利に展開していきそうである。