賃貸市場に目を移せば
安定した高利回りもうま味

 賃貸市場においても考察を加えておこう。今回の賃貸供給戸数は1500戸弱だった。ここでも芝浦アイランドと勝どきのザ・トーキョー・タワーズが比較対象になる。

【芝浦アイランドと勝どきの賃貸棟】

・エアタワー 48階建て、総戸数871戸、過去の平均m2単価:4300 円(事例数:852戸)

・ブルームタワー 48階建て、総戸数1028戸、過去の平均m2単価:4400 円(事例数:1012戸)

・THE TOKYO TOWERS(ザ・トーキョー・タワーズ)過去の平均m2単価:5000 円 (事例数:1429 戸)

 芝浦アイランドは合計戸数で今回の晴海を上回っている。今回はタワーではないものの、大量供給に見合うだけの需要はつくであろう。その際の賃料は、近隣の最安値がm2単価3000円程度なので、50m2程度で15万円以内、66m2ファミリータイプで20万円以内の賃料帯ならば大量供給に耐えられると想定される。

 後述する今回の土地取得価格が低いことから、この物件はかなりの利回りが期待できる。REITやファンドに売却することも充分に考えられるが、安定した高利回りを期待できる物件として開発事業者が長期保有することも考えられる。

 このエリアでは、環状2号線の全線開通に合わせてBRT(bus rapid transit・バス高速輸送システム)を運行し、都心と湾岸エリアのアクセスを改善させることを目指している。晴海地区には鉄道が通っていないので、BRTが予定通り運行されるかどうかは都心への通勤利便性を大きく左右する。つまり、これによって分譲価格と賃料水準が決定されると言っても過言ではない。

 BRTは鉄道でもバスでもなく、その中間に位置すると考えた方が理解しやすいと思う。これに近い乗り物として、東京で参考になるのはゆりかもめと日暮里舎人線だ。専用レーンがあるぶん、バスよりも優れているが、鉄道のような高速移動は望めない。この交通機関での物件の資産性への影響に過剰な期待はしない方がいいだろう。