経営破綻したタカタや巨額損失が明らかとなった東芝など、大手であっても先行き不透明な企業が多い昨今。いち会社員として気になるのは、やはり「給料」だろう。いま勤めている会社の賃金水準は、はたして適正なのか? また今後、賃金が上がる可能性はあるのか……?
そこで『100分でわかる! 決算書「分析」超入門 2018』の著者であり、グロービス経営大学院教授(ファイナンス担当)を務める佐伯良隆氏に、会社の経営状況や処遇が適正かどうか、決算書から客観的に読み解く方法をうかがった。
決算書は、会社の「健康診断書」
「会社員の方であれば、毎年一回、必ず健康診断書を受け取りますよね。決算書というのは、要はその会社版。会社の体が成長しているか、病気になっていないか、運動機能に問題はないかなど、健康状態を知る上で必要なことがすべて書かれています」
そもそも「決算」とは、「会社が一定期間に得た(あるいは失った)儲けや財産を計算して決定すること」をいう。それをまとめたものが決算書(財務諸表)であり、会社の「運動成績(1年間の事業活動で得た売上や利益)」と「健康状態(財産や現金の増減)」が一目でわかるようになっていると佐伯氏は語る。