財政再建、社会保障改革など
課題の解決が先送りされる懸念

 とはいえ、今後もアベノミクスが運を味方につけ、株価が強気一辺倒を保てるかは予断を許さない。

 例えば、日本株の行方を大きく左右する米国では、景気拡大局面が今年の7月で9年目に入った。戦後の拡大局面の平均期間は約5年。それゆえ、景気循環が終局を迎えているとの見方が絶えない。FRB(米連邦準備理事会)の次期議長の人選次第では、量的緩和からの出口戦略にも不透明感が残る。中国企業の債務問題などもくすぶっており、この先は海外市場が援軍となってきた強運の “賞味期限” が切れ、いつ歯車が逆回転してもおかしくない。

 一方で、政権基盤が強化されたにもかかわらず、国内については、これまでと同様、財政再建、社会保障改革といった課題の解決が先送りされていくことが懸念される。

 19年10月には消費増税が予定されていることもあり、市場では、増税による景気落ち込みを防ぐべく来年以降、さらなる財政支出拡大を進めるとの見立てがある。社会保障改革には手を付けず財政赤字を膨らませれば、それだけツケは将来に回されることになるのは言うまでもない。

 そもそもこれまでも日銀の異次元緩和、財政悪化を覚悟した大規模な財政投入など、アベノミクスは“劇薬”投入による目先の景気拡大に重きを置いてきた。

 今後、政権が景気刺激策を改憲の地ならしのための手段と位置づけ、さらに短期志向のポピュリズム政策に動くことを期待している結果であるならば、足元の株高も素直に喜んでばかりはいられない。