第48回衆院選が10月22日投開票され、与党が定数の「3分の2」を確保して大勝した。首相の安倍晋三は国政選挙5連勝を成し遂げ、吉田茂政権以来となる「第4次内閣」が発足する。
「手を合わせて拝みたいぐらいの数字だ。希望の党に感謝したい」
衆院選の開票が進んだ10月22日深夜、自民党の最高幹部は思わず本音を漏らした。
首相の安倍晋三が繰り出した“禁じ手”ともいえる「奇襲解散」。だが、選挙戦序盤ではそれをはるかに凌ぐ勢いが東京都知事、小池百合子の希望の党にはあった。安倍が受けた衝撃は半端ではなかった。多くの自民党議員が下野を覚悟したはずだ。
「総理が自公で過半数の233議席を目指すと言ったのは掛け値なしの本心だ」
冒頭の幹部はこう語る。そして逆転大勝利。振り返って最大の功労者に小泉進次郎の名前を挙げた。自民党で今や発信力と好感度で彼の右に出る者はいない。その小泉の発信力が「小池劇場」の崩壊を呼び込んだというのだ。小泉は9月28日昼の衆院本会議で解散が断行されると、国会議事堂の廊下で記者や多くのテレビカメラに向かって小池を挑発した。
「小池さんに出てきていただき、夢と希望を語る自民党と、希望を語る希望の党、希望対決でいいじゃないですか。(小池は)いつ出馬表明するのか。もう都議会に心はないんじゃないか」
小池は希望の党の結党と党代表への就任を宣言していたものの、衆院選への出馬については言葉を濁す。小泉はそこを突いた。小池も反論せざるを得なくなった。