各社から発表されている2012年3月期の決算予想を見ると、製造業を中心に日本企業が厳しい状態に直面していることが分かる。
パナソニックは、12年3月期の連結最終損益が4200億円の赤字(前期は740億円の黒字)になると発表した(従来予想は300億円の黒字)。赤字が続くテレビ事業でリストラ費用が膨らむことと、円高の影響による。
ソニーは、12年3月期の連結当期純損益(米国会計基準)を900億円の赤字(4年連続の税引き後赤字)と大幅に下方修正した(従来予想は600億円の黒字)。売上高は7兆2000億円から6兆5000億円に、営業利益も2000億円から200億円にそれぞれ大幅に下方修正した。
シャープは、12年3月期の連結営業利益を850億円へ下方修正した(期初予想は970億円)。最終利益については、営業外費用の見直しにより、期初予想の60億円を据え置いた。
東芝は、11年4−9月期の連結営業利益(米国会計基準)が前年同期比23.4%減の802億円になったと発表した。12年3月期の連結業績予想は従来のまま据え置いた。
ニコンは、12年3月期連結決算の売上高を予想より650億円少ない9250億円に、営業利益を190億円少ない670億円にそれぞれ下方修正した。洪水被害による営業利益の目減りは250億円という。
任天堂は、12年3月期の連結最終損益が200億円の赤字に転落する見通しだと発表した。
8月に発表されていた2011年4−6月期連結決算でも、利益の減少が目立っていた。トヨタ自動車は、東日本大震災による減産や円高の進行で、営業利益が1079億円の赤字となった。前年同期は2116億円の黒字であり、四半期決算の営業赤字は2年ぶりだ。為替レートが、1ドル=92円だった前年同期と比べ10円の円高となったため、営業利益が500億円押し下げられたとした。
日産自動車は、売上高が前年同期比1.6%増の2兆819億円、営業利益は同10.4%減の1503億円、税引き後利益は20.3%減の850億円だった。