資金力のあるソニーや東芝がクラウドファンディングを使う理由金融庁が銀行の取引先企業に実施した3万社アンケート

 しかし、実際にはその期待を裏切るような、リスク徹底回避といえる銀行の姿勢が垣間見える。銀行の監督官庁である金融庁が、銀行の取引先企業に実施した3万社アンケートの結果によると、「メインバンクが担保・保証がないと融資に応じてくれない」と回答した企業は全体の40%にも上った。さらに、財務体質や業績が健全な企業も23%がそのように回答した(写真)。

 これまで担保・保証への過度な依存をあらためるように促してきた金融庁の幹部も、この結果には閉口。「健全な企業への融資ですら担保や保証に依存しているということは、もはや企業の信用力を判断することなく、ルーティンワークとして担保・保証を取っているのではないかと疑っている」と憤る。

 現在の大企業の歴史をひも解けば、先見の明を持つバンカー(銀行家)が黎明期を支えてくれたことで今がある、といった“伝説”が残っていることも多い。しかし、日本経済の発展に伴って取引先に大企業が増え、自らも事業規模を拡大した銀行は、いつしか目利き力を失ってしまったようだ。バブル崩壊を経て、融資に対する保守的な姿勢に拍車がかかって以降はなおさらだ。

 このような現状において、資金調達力のない企業や組織、個人にとって、クラウドファンディングは“くもの糸”のような存在となっている。そして、その“糸”はどんどん太さを増している。

イノベーションの芽を摘む
大企業の「新事業の規模」議論

 クラウドファンディングが威力を発揮するのは、資金調達の場面だけではない。マーケティングにも活用できるのだ。