光触媒国際研究センターが
研究拠点に
そうした応用研究を支えるためには、基礎科学として光触媒反応を探求する光触媒科学(photocatalytic science)を構築していくことが重要です。
(野田キャンパス内)
東京理科大学では、2013年、経済産業省の支援を受けて、野田キャンパス内に「光触媒国際研究センター(Photocatalysis International Research Center)」を開設しました。
本センターの建物は設計施工を竹中工務店にお願いし、第20回千葉県建築文化賞(2013年度)を受賞しました。
さらに、本センターは2015年に、文部科学省の共同利用・共同研究拠点に認定されています。
光触媒については、日本が世界をリードしていますので、本センターが国内外の知を集結させる役割を担い、光触媒の世界的な研究拠点となっていくでしょう。
そして、基礎科学と応用研究の橋渡しが成功したモデルとして世界中に情報発信を行い、他分野の方々とも交流を深めていくことができればと考えています。
光触媒を発見して今年で50周年。いまや東海道・山陽新幹線の光触媒式空気清浄機、成田国際空港の光触媒テント、パナホームの一戸建てからクフ王の大ピラミッド、ルーブル美術館、国際宇宙ステーションまで、その活躍の場は多岐に及んでいます。
本書には、その基本から最新事例まで140点以上の図表と写真が掲載されています。ぜひご一読いただければと思います。
東京理科大学学長
1942年生まれ。1966年、横浜国立大学工学部卒。1971年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。1971年、神奈川大学工学部専任講師。1975年、東京大学工学部講師。1976~77年、テキサス大学オースチン校博士研究員。
1978年、東京大学工学部助教授。1986年、東京大学工学部教授。2003年、財団法人神奈川科学技術アカデミー理事長。2003年、東京大学名誉教授。2005年、東京大学特別栄誉教授。2010年、東京理科大学学長(現任)。現在、東京理科大学光触媒国際研究センター長、東京応化科学技術振興財団理事長、光機能材料研究会会長、吉林大学名誉教授、上海交通大学名誉教授、中国科学院大学名誉教授、北京大学客員教授、ヨーロッパアカデミー会員、中国工程院外国院士。これまで電気化学会会長、日本化学会会長、日本学術会議会員・化学委員会委員長などを歴任。
【おもな受賞歴】文化勲章(2017年)、トムソン・ロイター引用栄誉賞(2012年)、The Luigi Galvani Medal(2011年)、文化功労者(2010年)、神奈川文化賞(2006年)、恩賜発明賞(2006年)、日本国際賞(2004年)、日本学士院賞(2004年)産学官連携功労者表彰・内閣総理大臣賞(2004年)、紫綬褒章(2003年)、第1回The Gerischer Award(2003年)、日本化学賞(2000年)、井上春成賞(1998年)、朝日賞(1983年)など。オリジナル論文(英文のみ)896編、著書(分担執筆、英文含む)約50編、総説・解説494編、特許310編。