先ほど、全店に同じ数量の商品を納品すると説明しましたが、当然ながら立地や商圏による売り上げの多寡によって店舗ごとの在庫量には差がでます。そこで、在庫の多い店舗から少ない店舗に商品を移送する指示を自動化し、適切な在庫に調整できる自動移送システムを開発しました。バイヤーが投入枚数を調整して入力するよりも、納品してから自動で調整した方がはるかに効率的です。

 また、売れ行きに応じて自動的に値下げするシステムも導入しました。商品の消化率や販売期間など一定の条件を設定し、在庫が設定した基準に達したら自動で値下げの指示を出せるようにしています。ただ、値下げは利益に大きくかかわってくるので、最終的にはコントローラーが判断するようにしています。

 このようにIT化を含めた業務プロセス改革を進めて、本部と店舗の業務量や作業量を減らすことができれば、本部は先々の計画を早めに進められます。店舗は作業量の平準化が図られることで、チェーンストアの店舗運営に徹することができるようになります。

 一連の業務プロセス改革を通じて、従業員の意識が変化していることを実感しています。これまで「そうは言っても…」が口癖だった社員が「今度はこうしてみよう」に変わりつつあるのです。「変革」を掲げて3期目となる今期は、社員が自発的に仕組みを変えてくれることに期待しています。

国内市場は今がチャンス
大都市部への出店を強化

──今後の出店戦略を教えてください。

 17年2月期末に国内だけで2000店舗を超えました。チェーンストアの成長エンジンは店舗数を増やすことですから、3000店舗まではわき目もふらず、とにかく店舗数を増やしていく考えです。

 国内の「しまむら」業態は1365店舗(17年2月20日現在、以下も同じ)となりましたが、まだまだ出店の余地はあり、2000店舗は可能でしょう。とくに東京や大阪など人口の集中する大都市部への出店を増やす方針です。東京であれば山手線内や東急線、京王線などの沿線に店舗を出したいと考えています。しかし「しまむら」の標準的な売り場面積の1000平方メートル前後にこだわっていると出店は難しいので、500平方メートル前後の小型店の開発に再度取り組もうと考えています。

 もちろん大都市部だけでなく、地方にも出店します。現在、1600〜1700平方メートルの大型店の実験も行っており、これがうまくいけば売り場面積の異なる複数の店舗を組み合わせてシェアを高めることができます。既存店の近くに出店をすれば当然既存店の売り上げは落ちますが、そのエリアでのトータルのシェアは確実に高まるでしょう。