新谷 そうですよ。面白いネタが目の前にあるなら、書いて読者に伝えたいという純粋な思いです。もう世間では騒動のほとぼりが冷めた頃合いかもしれませんが、みんなのウェディング取締役会長の穐田誉輝さんの記事がありました。女優の菊川怜さんと結婚したのを機に婚外子の存在が明るみになったうえ、日を追うごとにその数が増えて、4人もいたことがわかった。

田端 我々の業界内では、彼がかなりお盛んであることは有名でしたね。ただ、菊川さんはどこまでご存知だったのでしょうか?

田端信太郎(たばた・しんたろう)/慶應義塾大学経済学部卒。1999年NTTデータ入社。2001年、リクルート入社。フリーマガジン「R25」の立ち上げを行い、創刊後は、広告責任者を務める。その後、ライブドア執行役員メディア事業部長等を経て12年NHN Japan執行役員に就任。13年NHN Japanの商号変更により、LINE執行役員に就任。14年4月より、LINE上級執行役員 コーポレートビジネス担当。

新谷 菊川さんの対応がスゴかったですね。所属事務所は「(4人目まで)菊川は知っています」とハッキリと答えた。ホントにどこからどこまでを把握しているのだろうか?と。まるでブラックホールのようにすべてを飲み込む感じがしました。

田端 菊川さんが穐田さんと入籍したというニュースをテレビが最初に取り上げた際に非常に白々しいと感じたのは、「お相手は一般男性」と表現したことですね。何百億円もの資産がある人が一般的であるわけがないし、善し悪しは別として、視聴者が興味を抱きそうなネタなのに、最初のうちはまったく触れていませんでした。菊川さん本人が隠したのか、あるいはその番組のスタッフが気を遣ったのか、そういった事実関係はさだかではないけれど、テレビ的な嫌らしさを強く感じました。

新谷 そうでしたね。菊川さんが出演している番組の中では相手の名前を伏せて入籍を発表していましたけど、それでいち早く察知した人が群がって、みんなのウェディングの株価がいきなりストップ高をつけたわけです。やはり、純然たる私人というのは、無理があります。しかも、雑誌のグラビア記事にもファッションモデルさながらのポーズをキメて登場しているわけですから。

 文春が彼のネタを追いかけたのは、「アイツ潰してやれ!」とか「結婚の邪魔をしてやれ!」といった意図からではありません。かつてのショーンKさんも然りですけど、情報番組のキャスターである菊川さんも世間に対して一定の影響力を持っているわけで、視聴者がミスリードされることのないように、その背景については、きちんと報じる意義があると考えているからです。

 明らかにすることが都合のいいプライバシーと都合の悪いプライバシー、その境界線は厳密に誰が決めるのだろうか。本人が明かしたくないと思っていれば、その真相を知っている人は誰もが沈黙しなければいけないのでしょうか? この境界線は相手が政治家か、芸能人か、有名か、無名かなどによって、変わってきます。