外食チェーンはあの手この手で“胃袋”を奪い合っている。せっかく店でおなかを満たすなら、料理と共にそのビジネスモデルまで味わい尽くしたくはないか。『週刊ダイヤモンド』11月11日号の第1特集「味から儲けの仕組みまで 外食チェーン全格付け」の拡大版として、「週刊ダイヤモンド」と別テーマあるいは未掲載箇所をたっぷり盛り込んだ経営者たちのインタビューをお届けする。第9回は関東を中心に急速に拡大する串カツ田中の貫啓二社長に聞く。(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本 輝)

──串カツに特化し、急成長しています。ここ5年で100店以上も増えました。

串カツ田中、急速出店の秘訣は「渋谷」より「世田谷の住宅街」ぬき・けいじ/1971年、大阪府生まれ。トヨタ輸送勤務を経て、2002年ケージーグラッシーズ設立。15年現社名に Photo by Kazutoshi Sumitomo

 とはいえ、まだ160店舗ですからね。業界の人が思っているほどお客さまでの中の知名度ってそんなに高くないはずですよ。

 串カツはまだまだ需要も少ない。僕らが需要を掘り起こしながら出店している状況です。だって、猛烈に「串カツが食べたい!」ってなることそんなにありますか?

 串カツという食文化を育てていきたい。今は串カツが食べたいお客さまだけでなく、「串カツ田中」の看板が目に留まって、「あ、ここでいいじゃん」と思うお客さまを増やすことも大事です。

──串カツ業態全体が拡大している?

 模倣してくるところも多いんですよ。でも、僕らは、似たようなのができたよって言われても「あ、そう?」みたいな感じ。

 そうした店って、僕らの店のないところに逃げるように出店していくんです。僕らはどんどん出店していますから、追いかけているわけじゃないけど、出店がぶつかる。すると向こうはほとんどギブアップする。