外食チェーンはあの手この手で“胃袋”を奪い合っている。せっかく店でおなかを満たすなら、料理と共にそのビジネスモデルまで味わい尽くしたくはないか。『週刊ダイヤモンド』11月11日号の第1特集「味から儲けの仕組みまで 外食チェーン全格付け」の拡大版として、「週刊ダイヤモンド」と別テーマあるいは未掲載箇所をたっぷり盛り込んだ経営者たちのインタビューをお届けする。第6回は「週刊ダイヤモンド」の外食利用者アンケートで総合満足率1位を獲得した回転寿司チェーンすし銚子丸を展開する銚子丸の石田満社長に聞く。(『週刊ダイヤモンド』編集部 大矢博之)

――「週刊ダイヤモンド」のアンケート調査で、総合満足率がトップでした。支持されている看板商品は何ですか。

回転寿司の銚子丸が一度やめた「うずら納豆」を復活させた理由いしだ・みつる/1956年生まれ。78年亀有信用金庫入庫。ウェアハウス社長などを経て、2014年銚子丸入社。同年8月より現職 Photo by Hiroyuki Oya

 一番人気は、日々仕入れる鮮魚そのもの。580円で提供している「鮮魚5カン」のセットが、わが社のビジネスモデルを象徴する商品でしょう。その日に仕入れた鮮魚の中から、店長が選んだ5カンの組み合わせなので、ネタは日々違うのです。月に10万皿売れています。

 われわれは寿司が回るレーンの内側に板前を配置しているので、市場で買い付けた丸のままの魚を、利用客の目の前でさばくことができます。鮮度も抜群ですし、顧客の期待に応えられると考えています。おまけに丸のままの魚を使うことで魚のアラも取れますので、アラ汁も提供できます。その分、人の手間はかかってしまいますが。

――店長が仕入れているのですか。

 食材の調達は北海道から九州の魚まで、築地などの市場で見て良いと判断したものを、商品部が一括で仕入れ、店ごとに仕分けして送っています。早朝仕入れた魚が当日の午前9時半までに店に届く仕組みです。