『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
奪う人、支配する人、逃げる人、これらの人は幸せになることができない
アドラーは1933年に以下のようなタイプ分けを発表しました。「共同体感覚」が高い人、低い人という軸に、活動性の高い、低いという軸を加え、4つの象限で分類したのです。どちらも高い人が「社会的に有用な人」。このタイプが健全であると考えました。また、共同体感覚が高くて活動性が低い人はいない、としました。共同体感覚が高ければ必ず活動を伴うはずであるからです。そして、共同体感覚が低い人をさらに2つに分けました。
一つは活動性が高い人です。この人は周囲の人を「支配する人」になります。「相手よりも自分を優先した」活動を「大いに」行う。まさに支配的な姿が目に浮かんできます。このままでは周囲から人が離れていき、人生は決してうまくいかないでしょう。
もう一つは共同体感覚も活動性も共に低いタイプです。この「相手よりも自分を優先し」「活動をしない」タイプは2種類に細分化されます。一つは「相手から奪う人」(Getter)です。人から何かをしてもらうことを当然と思い、感謝しません。さらに自分を支援しない人を恨み怒るのです。このような姿勢では対人関係も人生もうまくいくはずがありません。
もう一つのタイプは「世の中から逃げる人」です。共同体感覚の低さゆえにうまくいかない対人関係を面倒に思い、人と会わず引きこもるのです。神経症患者もここに分類されます。私たちは共同体感覚を高める以外に決して幸せな人生を送ることはできないのです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
※本連載は日曜日以外の毎日更新します。