
人との縁を心地よく育むには、あえて少し距離を置くことも大切だ。相手を必要以上に理想化せずに自然体で向き合う、ほどよい距離感が関係を長く続ける土台になる。会う力を磨いてきたインタビュアー・早川洋平氏が、ビジネスパーソンにも役立つ信頼を育てるための小さなコツを紹介する。※本稿は、早川洋平『会う力 シンプルにして最強の「アポ」の教科書』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
相手に好感を持たれるため
ほどよい距離を保つコツ
「なぜお相手とお目にかかるだけでなく、その後も仕事をしたり交友を持ったりすることができるのですか?」
トークイベントやワークショップを開催すると、参加者の方からこうしたご質問をいただくことが少なからずあります。お相手ひとりひとりに理由をうかがったことはないので、あくまで僕の目線から言わせていただけばということになりますが、意識していることがひとつあります。
それはお相手との距離感です。僭越ながら初対面の方に「親近感があります」と言っていただくことが多い僕。確かにお目にかかった際のお相手との距離感は比較的近いタイプだと自負しています。
しかし、長年お付き合いいただいている方たちとの日頃の距離感を振り返ってみると、実はそれほど近くありません。お仕事をご一緒させていただいているお相手でなければ、メールでのやりとりは3〜4カ月に1回くらい。誤解を恐れずにいえば「付かず離れず」と表現してもよいかもしれません。
もちろん、僕は彼らのことを深く尊敬しています。だからこそ、単なるファンになってしまわないように気をつけています。