中国と北朝鮮は関係最悪
「6者協議」の再開が落としどころ?

――となると、今後は中国が対北朝鮮説得により力を入れるということですか。

 問題は中朝関係が良好とはいえず、中国側に金正恩氏とのパイプがなくなっていたことです。

 特に北朝鮮側には中国への不信感が強いのです。「4つのNO」の中に、わざわざ「北の政権交代を求めない」というのが一つの項目として入っているのは、中国が過去に、政権交代、つまり金正恩氏を降ろそうという考えを持っていたと、米国も認識していることの証左です。

 金正恩氏が、ナンバー2で中国との窓口だった張成沢・国防委員会副委員長を粛清したのも、張氏が中国と連携して金正恩を排除しようとしたから、ともいわれています。

 金正恩氏は中国が自分を抹殺するのではないか、との疑いを抱いていますから、絶対に中国に行かないわけです。中国が行うことは、まず金正恩氏を説得するための人的パイプ作りをすることなのでしょう。

――米中で握っても北のミサイル開発は止められないということですか。

 11月17日、中国対外連絡部のトップ、宋部長は先月の共産党大会の結果を説明するため、習近平国家主席の特使として平壌を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長の信頼がとりわけ厚いとされる側近の崔龍海(チェ・リョンへ)副委員長と会談しました。

 トランプ大統領の訪中を受け、ついに中国が北朝鮮との人的パイプ再構築を始めたと見ることもできます。また、ロシアが北朝鮮と急接近していますから、中国はこのあたりも視野に入っているのでしょう。

 結局は、かつての「6者(米韓日中露と北朝鮮の)協議」のような枠組みで、交渉再開といったことが落とし所にならざるを得ないのかもしれませんが、トランプ大統領は、少なくともそこまで持っていくのに、北に圧力をかけられるのはやはり中国しかない、ということを伝えたのだと思います。

 ただ北も簡単には中国の言うことを聞かないこともわかっていますから、米中首脳会談ではそれほど厳しくやりあうことはなかったのでしょう。