

つねに市場は正しく、介入のような相場操縦は長く効果を発揮しない──。これが為替の定説となっているが、10月末日、日本の財務省は大規模な単独円売り介入を敢行し、ドル円相場は一時79円55銭まで円安に振れた。
だが、その後は一進一退。イタリアがIMF(国際通貨基金)の管理下に入るなど、依然として不安材料が山積するからだ。バークレイズ銀行東京支店チーフFXストラテジストの山本雅文さんは、「過去2回の単独大規模介入時と同程度の結果だが、リスク回避の再燃で、円高圧力が再び高まっている」と分析。
例外的に介入が奏功しているのがスイスフランで、当局の無制限介入が効果を発揮。今回の日本の介入もこれに習ったものだとの指摘もあるが、山本さんは否定的だ。
「日本は、スイスのように自己通貨供給を無制限に行なえる中銀による介入と違い、財務省が介入資金を手当てするためのFB(政府短期証券)発行に上限の制約がある」
では、今後の為替相場はいずれの方向に向かうのか。クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジストの深谷幸司さんの予測は次のとおりだ。
「結局、円高が進むか否かは、円資産への逃避資金流入とユーロ・円相場を中心とする投機的な円買いの動向次第だ。ただし、こうした円高は本来長続きしない」
日銀の介入の効果は別にして、円高トレンドの転換が近づいていることも意識しておく必要があるようだ。
(取材・文/大西洋平)
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