製品名だけ覚えて、これを着ると暖かいという発想だけでは、こんなふうに間違ってしまうのではないでしょうか?なぜ寒くないのか仕組みをわかっていないとせっかく持っていても役にたっていないですよね。

 逆に、アウトドアの下着にコットンは着ないというと「コットンはよくない!」みたいに理解されてしまうのも不本意です。夏は涼しくて気持ちのよい素材です。肌ざわりもいいです。でも保水するので、冬に濡れたら着替えてほしいだけなのです。

 着替えられないアウトドアや災害時に、そして普段から寒がりな人ならば、汗を吸うけど保水しない他の素材も試してほしい。そういうことなのです。

伸びるシルクやチクチクしないウールも登場!
体感して自分に合ったインナーを探してみよう!

 機能性インナーは石油製品なので、もっと自然素材がいいという方は、シルクとウールの機能も知っておいてください。

 シルクはコットンの1.5倍の汗を吸って放出します。ですが、肌の水分量以上は保水しないので、体を冷やさないのです。絹が着物として日本で愛用されていたのは、高温多湿な気候に一番あっていたからかもしれませんね。

シルクのインナー。左は授乳やマタニティ時期にも着ることができるポリウレタン10% 入りの伸びるシルク(※サンプル品としてメーカーからお借りしているものです。画像提供:あんどうりす)

 タンパク質の構造も皮膚と似ているため、アレルギーを起こしにくい素材とも言われています。伸びない、洗濯による劣化が早いという欠点があるため、ポリウレタンを入れてのびる機能をもたせたシルクもあります。授乳服や妊婦さんの大きくなるお腹に対応したシルクのインナーもあるくらいです。

 ウールは天然の元祖発熱素材という事は、あまり知られていないように思います。なんとなくあったかいと思われていたウールは、水分を吸うと保水しないばかりか、発熱までしていたのですね。だから、最近よく見かけるあったかインナーとか発熱素材と言われるものは、このウールの繊維の構造を化学繊維で再現しています。生物模倣のバイオミメティクスってことですよね。

 でも、そんなに昔から信頼されていたウールがなぜ、コットンよりも活用されていなかったかというと、チクチクしたからなのです。ウールの繊維のでこぼこが、肌にあたって痛かったわけですが、最近はこのでこぼこをカットする技術がありますので、さらさらすべすべなウールなんていうのも出てきています。