ひとたびネットで炎上すれば
情報が残り続ける恐ろしさ

「ネット炎上対応費用保険」に一定の需用があるのは、炎上が企業にとって重大なリスクと捉えられているからだろう。実際のところ、ネット炎上はどのようなデメリットをもたらすのか。

『ネット炎上の研究』(勁草書房/田中辰雄・山口真一著)の共著者で国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師の山口真一氏は、ネット炎上のリスクとして「その企業のマイナス情報がネット上に残り続けることが問題」だと指摘する。

「一度炎上した案件は事態が収束してもネットでは残り続けることが多い。企業名をウィンドウに打ち込んだら、検索エンジンの一番上に炎上案件が出てくることもあります。企業に対する悪いイメージがずっとつきまとう可能性だってあるわけです」(山口氏、以下同)

 企業にとってブランドイメージを損なうことは、それこそ大きな損失につながりかねない。しかし、そうしたリスクがあるにもかかわらず、多くの日本企業は炎上への対策・対応が十分ではないという。

「炎上のリスクをゼロにすることは不可能かもしれませんが、炎上しやすい要素というのは確実に存在します。たとえば、ジェンダーに関する問題意識が高まっている今、『女性の役割』を固定化するようなコンテンツは『性差別的』と批判されやすい。コンテンツを制作するにしても、本来なら会議の場に若い人や女性の意見などを取り入れることで炎上要素を発見しやすくなりますが、それを実行している会社がどれくらいあるのかは疑問ですね」(同)