みんなが右を向くなら、あえて左を向いてみる。それが人とは違う斬新な企画を考えるポイント。でも登場の仕方に失敗すると、せっかくの企画も台無しに……。「登場感」と「第ゼロ印象」、こうした最初の印象を上手につくることは、プロデュースや企画を手がける人以外も使える重要なテクニックなのです。
右向け左
自分で言うのもなんですが、僕は子どもの頃からずっと「あまのじゃく」体質。
みんながわぁーっと何かに夢中になっていると、他のことがしたくなってくる。みんなが右を向いているときこそ、左を向きたくなってしまうのです。
大人になって仕事をするようになってからも、というか今でもそれは同じで、「他の人がやらなかったことしかやらない」と思っているのです。
かつてテレビ番組の企画をしていたとき、「カメラを振る」ロケ番組が全盛の時代に、僕はあえて「カメラを固定したい」と言い出しました。
当時、ほとんど誰もやっていなかったことですから、まわりのスタッフは驚き、「大丈夫か」という空気が流れます。
でも僕は、「カメラを振る」のが当たり前になっていたからこそ、「カメラを固定する」ことが視聴者には新鮮に映ると考えたのです。
そのうち、カメラを固定する映像がウケ始め、今度はそれがスタンダードになっていきました。