「教育無償化」の「2兆円の政策パッケージ」がまとまった。「デフレ脱却」から始まり、「経済最優先」を掲げて、まるで“日替わりメニュー”のように政策が打ち出される。最近では、市場重視の「小さな政府」路線は影をひそめ、政府介入色の強い「大きな政府」路線を歩み始めているように見える。「迷走」するアベノミクスの舞台裏で何が起きているのか。浮かび上がるのは、一人の「首相側近」の存在だ。(ダイヤモンド・オンライン特任編集委員 西井泰之)
頭越しに企業拠出金決める
「官邸主導」に自民党反発
12月8日、安倍首相が「人づくり革命」の目玉として掲げた「教育無償化」の政策パッケージが公表された。だがその柱となった「3~5歳児の保育・幼稚園料無償化」などの適用対象範囲や支給額は詰め切れず、結局、制度設計は来年夏以降に先送りされた。
背景には、無償化論議が終始、「官邸主導」で進められてきたことへの反発がある。