多数の仏メディアで話題となった全仏ベストセラー!
世界22か国で翻訳された猫に教わる人生指南書の日本語版『猫はためらわずにノンと言う』がこのたび遂に刊行された。
他人の目は気にせず、決して媚びず、欲しいものは欲しいと言い、プレッシャーに屈せず、エレガントで自信に満ち、ひとりでも平気……子猫の時に事故にあい、左前足を失くした猫ジギーが、そんなハンディキャップをものともせず、むしろ「それが何か?」と気にもかけずに振る舞う姿は、常に他人の目を気にして、何かに追い立てられ、せわしく動きまわっている人間たちに、自分らしく生きるために本当に必要なことは何かを伝える本書から、一部抜粋して紹介する。
猫を飼っている人、猫好きな人だけでなく、猫のように、そこにいるだけで自然と一目置かれる存在になりたい人にも役に立つ!
何気なく見ていた猫たちの日常の仕草には、猫だけが知る深い人生哲学が込められていた!明日から、猫を見る目が変わります。
他人に助けを求めるのが、
実は申し訳ないことではない理由
(ジョセフ・ウッド・クラッチ/作家、批評家)
猫の要求は時と場所を選ばない。
お腹がすいた時、散歩に行きたい時、なでてほしい時。
たとえあなたがぐっすり眠っている時でも、目的を果たすためには容赦ない
一方、私たち人間は、たとえば家庭で心配事がある時、職場で相談に乗ってもらおうなどとは、なかなか思わない。
少し恥ずかしいし、話を聞くのを拒否されるのではないかという心配、プライベートをさらけ出してしまうことへの抵抗もある。重大なお金の問題だったらなおさらのこと、胸を張って堂々と頼むわけにもいかない。
考えれば考えるほど、物乞いでもしているようなみじめな気分にもなる。
私たちは、自分のしたいこと、欲しいものがはっきりわかったとしても、それをいざ行動に移そうと思うと、背中を押してくれるキッカケだとかスイッチのようなものが欲しくなる。
でも、少し考えてみよう。
必要な時に助けを求めて悪いことは何もない。
面白いことに、口に出して頼みさえすれば、いつも一人くらいは喜んで手を貸してくれる人が現れるものだ。
「言ってくれればよかったのに!」
「なんでその時に言わなかったの?」
「手伝えたのに!」
こんな言葉を聞いたことが一度ならずあるのが何よりの証拠だ。
どんな問題もとりあえず、恐れずに人に頼んでみる。
案外これが一番早い解決法かもしれない。
人に助けを求めるのは悪いことではない。
お願いしてみれば、
きっと喜んで手を貸してくれる人が現れる。
そしてもう一つ、あなたを助けることは
その人にとっても悪いことではない。
その人はちょっといい気分になって、
ほかの誰かに褒めてもらえることになるから。