アシがつかないように
希薄な関係者同士が実行

「金の密輸やタタキ(強奪)を実行するにはある程度の人員を確保しないとダメだ」と話すのは前出のA氏。

 そこで威力を発揮するのが、彼らが持つ独自のノウハウとネットワークである。

 それは裏社会でのもうひとつのトレンドともいえるある犯罪と関わりがある。

 捜査関係者の1人は、「複数の人間が関わるシノギという点で共通点があるのは、オレオレや未公開株といった特殊詐欺だ」と指摘する。

 警察当局の取り締まりによって使用者責任が厳しく問われるヤクザたちにとって、実際に犯罪に手を染める実行犯との関係性は、薄ければ薄いほどいい。アシがつくリスクを軽減させることができるからだ。

 A氏は言う。

 「『知り合いの知り合い』ぐらいの関係がちょうどいい。こういった人間を集めるのにはSNSは好都合だ」

 無料通信アプリ「LINE」や会員制交流サイト「Facebook」には、電話番号などの個人情報から繋がりのある者を自動検索する機能が備わっている。こうした機能を使って、「犯罪を生業にする」という属性は同じでも関係性は希薄な者同士の「即席グループ」ができあがるのだ。

 昨年7月、福岡市で警察官を装った男らが約7億5800万円相当の金塊約160キログラムを強奪した事件でも、逮捕された男らはFacebook上で繋がっていたことが確認されている。

 先のA氏は、「最近はLINEよりも秘匿性の高い、中国の通信アプリ『微博(ウェイシン)』や米国の通信アプリ『Signal(シグナル)』が人気だよ。情報が警察に漏れる心配がないからね」と明かした。