教育無償化を迷走させた安倍政権ポピュリズム政治の罪年頭記者会見に臨む安倍首相 Photo:首相官邸HP

 昨年12月8日の臨時閣議で、「人づくり革命」と「生産性革命」の二つを柱とする新しい「経済政策パッケージ」が決まった。

 安倍首相はオリンピックが開催される2020年に向けてパッケージを実行することによって、「日本が大きく生まれ変わる」契機にしたいと表明した。しかし、このパッケージは方向性の違う政策を無理やり詰め込んだ観が強く、ちぐはぐという指摘がされている。

 どうちぐはぐなのか、「人づくり革命」の中核と位置付けられた「教育無償化」に即して考えてみよう。

誰を、何のために支えるのか
目的や方向性がちぐはぐ

 ちぐはぐが目立つのが、政策目的だ。

 誰のために、何を実現しようとするのかはっきりしないのが、今回の無償化論議の特徴だろう。