年が明け、新年会シーズンがやってきた。仕事がらみの酒席は何かと気を使わなければならない昨今だが、知らないうちに部下に煙たがられてしまっていることに気づかない上司も多い。会社の飲み会事情に詳しい、株式会社酒文化研究所の山田聡昭さんに話を聞いた。(清談社 布施翔悟)
酒離れが著しい時代、
飲み方を知らない若手が増加
年末年始は、社内の人間全員が顔を揃えて杯を交わす席も多い。お酒の力を借りて、若手の社員たちと普段できないような話をしたがる上司もいることだろう。しかし、まずは今どきの若手のお酒に対する意識を理解しておく必要がありそうだ。
「40~ 60代の方々が若かった頃に比べると、今の20代、30代はお酒への馴染みが薄い。体質的に飲めない人が増えたというわけではなく、自分から進んで飲むことがない、という人が多いはずです」(山田さん)
厚生労働省の調査によると、週に3回以上酒を飲む習慣がある人の割合が、1986年だと 20代で36%、30代だと50%以上。それが2016年になると、30代でも3割で、20代でも15%。若者の酒離れが叫ばれて久しいが、データから見ても明らかだ。
ある程度の量は飲めても、飲み方を知らないために酔いつぶれてしまうこともあるという。
「例えば、ビールはよく飲んでいるけれど、ウイスキーや日本酒には慣れていないという場合もある。そうなると、ビールと同じ量でアルコール度が高いお酒を飲み続け、必要以上に酔ってしまうという可能性もあります」(山田さん)
若手社員がぐいぐい飲み続けているのを見て、「お前、飲めるなあ」などと感心していたところ、実はお酒の強さを知らないだけだったということもある。酒の場で失敗を犯した部下は、その後しばらくの間、社内で気まずい思いをしてしまうだろう。