両親も手のひらを返して
喜んだ理由
本書収録の近森産業・白木久弥子社長(高知県)も、定性情報の効果を実感したひとりです。
白木社長は日本政策金融公庫の金利が低いと聞きつけて、2000万円の借入れを頼みに行きました。
経営計画発表会は終わっていたので支店長を招待することはできませんでしたが、経営計画発表会で話した内容をそのまま担当者に伝えたところ、
「上に会ってほしい」
と言われました。
「偉い人が出てきて工場見学をしてもらいました。
みんなが一丸となってやっていることを見て、『5000万円貸しましょう』と額が上がりました。
さらに偉い人とお話ししたら、
『ビジョンがある。もっと貸しますよ』。
最終的に金利0.51%で1億円を無担保・無保証で借りることができました」(白木社長)
おもしろいのはココからです。
白木社長はその1億円を持ってメインバンクに行き、「お金が余っているから」と言ってこれまでの借入れを返済しようとした。
優良顧客を逃してはいけないと焦ったメインバンクは、金利1.88%を0.8%まで下げ、先代の父や母がつけられていた個人保証も抵当権も外した。
「私が武蔵野で教わったやり方を会社に持ち込んだとき、両親は反対していました。
でも、借金の個人保証が外れたと聞くと、母は『久弥子が経営してくれて本当によかった』と手のひらを返して喜んでいました(笑)」(白木社長)
定性情報をオープンにすることで、お金は借りやすくなり、すでに借りている借金も担保や個人保証を外しやすくなるのです。
ぜひ、第1回連載にある、【あなたの会社の危険度ワースト「15の死角」】をチェックしながら、『数字は人格』をカラダ中の細胞に植えつけていただけたらと思います。