中華圏の成功の理由は
一人の人材の登用が当たった?

 そんな中でも、ユニクロは中華圏で売上高をしっかり上げ、不動産費や人件費の高騰を吸収して、500億円もの利益をあげているのである。

 中華圏の成功はひとえに「一人の人材の登用が当たったといえる」(流通コンサルタント)といわれている。その意味では柳井正ファーストリテイリング会長兼社長に先見の明があったかもしれない。

 中国事業を引っ張っているのは潘寧グループ上席執行役員である。潘氏は中国の高校を卒業後に単身、日本に来てアルバイトをしながら大学に通った。卒業後にファストリに入社するが、潘氏が入社したころのファストリはまだ山口県の一中小企業だった。

 柳井式の商売のやり方をつぶさに見ていた潘氏は頭角を現し、08年には中国事業を任される。以降10年、中国の成長に歩調を合わせるかのように、ユニクロの中国事業を伸ばしていく。

 柳井社長が意識していていたかどうかは分からないが、中国出身の潘氏をいち早く中国事業の責任者に起用したことが、現在の成功につながっている。

 現地に生まれ育った人にしか現地の事情は分からないところもあるし、現地人と同じ視線で商品や売り方をとらえられる。

 日系企業はすぐに現地化、現地化と言うが、とはいってもただ現地人を雇えばいいわけではないだろう。人材育成が重要であり、若いときから柳井氏と一緒に汗水たらした人に任せた格好だ。