日系企業の多くは、現地人を採用するにしても、コミュニケーション能力だけで判断しようとする。採用してしまえば人材育成に力を入れることは少ない。結局商売も中途半端に終わり、撤退の憂き目にあう。

スマートフォンを活用した
デジタルマーケティングも好調の要因

 加えて、ユニクロ中国好調の要因として挙げられるのが、スマートフォンを活用した、デジタルマーケティングだ。中国のスマートフォンユーザーは8億人を超え、9億人に迫ろうとしている。

 誰もが保有するコミュニケーションツールを使い商品やコーディネート情報を流している。SNSを活用しユニクロの商品の良さを発信、店舗への来店を促す。ウェブルーミングである。まずネットで商品やコーディネートをアピールし来店を促すという仕組みだ。今後中国事業ではEC比率を現在の10%から30%にまで引き上げるという。

 ユニクロの中国戦略はいい商品さえ作り安く売ればいいというだけでなく、ブランドを浸透させる仕組みを徹底していることだ。

 さらに中華圏事業ではグローバルに活躍できる人材育成にも力を入れている。柳井イズムの「一人ひとりが経営者である」という徹底教育も実行されている。

 ファストリは国内では成長が鈍化しており、5年前に850店以上あった店舗数はすでに800店を切り、790店まで減少している。今後、店舗数は増えることはないと見られる。

 国内店舗が縮小、海外店舗も米国の苦戦などが伝えられているし、欧州ではファストファッション型の専門店と競合が激しい。つまり、こうしたトレンドのなかで、“中国の存在感”は否が応でも高まっていく。

 ユニクロが“中国の企業”になる日は近いかもしれない。