この4組によるライヴ・パフォーマンスは12月15日から17日の三日間で計5回行われたが、最後の17日の夜の部では、ラストのセッションの際、それまではホストとして他の3組の魅力を引きだすことに重点を置く演奏を行なっていた坂本龍一が、このときばかりはひとりのアーティストとしての姿勢を全面に出し、ラストのセッションにおいては初めてピアノに向かってフランチェスコ・トリスターノとピアノ・バトルとでも表現したくなるような熱い演奏を聴かせたことも印象的だった。

 また、このほか12月15日から17日にはプラザの『石庭』でカナダのアンビエント・ミュージックのアーティスト、ロスシルもコンサートを行なった。グールドの有名なドキュメンタリー『北の理念』を題材にしたオリジナルの新作の演奏で、無料コンサートだったことあり、計3回の演奏には毎回多くの聴衆が集まった。

 日本でもまだまだ根強い人気を誇るカリスマティックな音楽家、グレン・グールドをそれにふさわしくさまざまな角度から光を当て、現代的な解釈も加えたこのイベント。

 グールドは決して過去の偉人というだけではなく、その音楽と作品の生命がいまも豊かに息づいていることが証明されたかのようなイベントだった。

 そしてまた、1960年代から1970年代にかけて草月会館を舞台に行われた高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之によるハイレッドセンターのハプニング・アートや前衛音楽を紹介する「草月ミュージックイン」など、日本の前衛芸術運動の嚆矢である勅使河原宏による “草月アートセンター”の面影が、21世紀のこのときにありありと蘇ってきたような一面もこのGGGにはあったことを付記しておきたい。