優秀なエリートには共通点がある。彼らは「真面目に、我慢して、一生懸命」ではなく、「ラクして速く」をモットーに、効率よく結果を出し続けている。まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない。24年間で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6000人を超えるリーダー・幹部社員を選出してきた松本利明氏の新刊、『「ラクして速い」が一番すごい』から、内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)
集中力を奪う大敵とは?
あなたの仕事に割り込んでくるのは上司、お客様、社内の人だけではありません。メール、SNS、メッセンジャーの「通知」も含まれます。
文章を書いていて、メール受信のポップアップが目に留まり、メールをチラ見。そして文章の続きに戻ったとき、「あれっ、何をするんだっけ?」と思い出すのに時間がかかったことはありませんか?
「のこぎり刃現象」という言葉をご存じでしょうか?
多くの人は、集中しているときに作業を中断すると、集中力がほぼゼロになるそうです。再び集中力を高めるには時間がかかります。走り出し、トップスピードになるまでは時間と加速が必要になるのと一緒です。「トップスピードになる→中断する→再びトップスピードになる」、この繰り返しのイメージがギザギザした「のこぎりの刃」に似ているので「のこぎり刃現象」と言われます。
メールのチラ見は「のこぎり刃現象」を招くのでやめましょう。さらに悪いことに、「チラ見」をすると、ミスも増えます。
アメリカのミシガン州立大学には、「作業を3秒中断すると、作業に戻ったときにミスをする確率が2倍になる」という研究結果があります。集中力が途切れるからです。
私たちの仕事は1日の中で中断、集中を何度も繰り返すものです。中断はできるだけ減らしましょう。
メールは「即レス」しなくてもいい
メール、SNS、メッセンジャーなどの通知はすべてオフにしましょう。メールの返信は24時間以内が暗黙のビジネスルール。1日2~3回、まとめてメール処理をする時間をとれば、まわりは困りません。
普段きちんと対応していれば、まわりの反応は意外とあっさりしているものです。逆にメール処理に集中できるので効率も上がります。
スマホのバイブレーター機能も厄介です。バイブがブルッと震えると、強制的に思考が遮断されます。ムダなスマホチェックを減らすには、バイブは一切止めましょう。